この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「美代を助けたい…」


俺は尾崎を見た。


「TV中継で…全国に俺の映像を届けられるか?」


尾崎は頷く。


「あぁ。敵の居場所が分からない限り全国ネットで映像を配信するのが私も妥当だと思う」


「中継場所は…どこでも良いのか?」


「君のやりやすい場所があるのなら、出来る限りの協力はするよ」


尾崎の心強い言葉に俺の心は熱くなった。


美代を…絶対に助けてやる…


出来るだけ早く、確実に…!



「あ…りがとう。頼む…」


俺は尾崎やそこにいるTV局の人間たちに頭を下げた。








こうして俺たちは一旦企画を練るために企画会議を開いた。


犯人グループが納得する内容で


かつ


世間一般には、この放送の意味を悟られない内容にしなければならない。


撮影場所は尾崎の言う通り、俺の意見を最優先にしてもらった。


俺が撮影に選んだ場所は
動物園。



そして動物園側と交渉を取り、企画が上がると


俺たちはその足で動物園に向かうことになった。