この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐




《2つ。マサルの能力をもう一度我々に証明しろ。先日の放送は実に興味深かった…》






男は眼鏡を触ると、うっすらと不気味な笑みを浮かべた。



《証明できない場合も…この女は殺す》



バシッ!!


男は項垂れた美代の顎をグイッと持上げると、もう一度頬を叩いた。


「…!!!」



や、やめろ…ッ!!


俺は声にならない叫び声をあげた。



なんでもする…


なんでもするから、もうやめてくれ…!!


しかし冷酷にも男は続けた。




《3つ。マサルが力を証明出来たらもう一度我々からコンタクトを取る。その時には、マサルに我々の仲間になってもらう》





「……!!?」


は………?


な…仲間…?





《仲間になる事に応じない場合も…》



男の眼鏡の向こうの目が不気味ににやりと笑い


男はまた美代に向かって手を振り上げた。






やッ……!!


「…やめろ――…ッ!!」









バシンッ!!!


美代の顔が大きく揺れ、夏美が悲鳴をあげた。