この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「ちょ…美代ちゃんがどうしたんだよ?」


「……美代が…朝から行方不明なんだ」


「は?!」


「探しまわってるけど…いなくて…」


そこまで言うと俺はその場に座り込んだ。


足が……限界だ…


「ちょ…とにかくお前、中入れ」


客が俺に気付き好奇の視線で見始めていた。


ヒゲ男は俺の脇を肩で支えると、俺を店の奥に運んだ。


店の奥には畳のリビングがあった。


ヒゲ男は俺を畳に座らせると、冷たいお茶とおしぼりを出してくれた。


俺はそれを一気に飲み干した。


「……っぷはぁ…はぁ」


「いま夏美呼んだからよぉ、ちょっとお前休めよ」


「あ…ぁ、ありがとう…」






そして数分後――…


慌てた様子の夏美が勝手口から飛び込んできた。


「ちょっ!!美代が消えたってほんとな訳?!」


俺の胸ぐらを掴みそうな勢いの夏美に、俺は頷く。