この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

『マサル~…どうしたブゥ?』


「ん…なにがだ?」


昔のように豚の太郎と並んで日向ぼっこをしていると


太郎が心配そうな顔で俺を見た。


『ブヒ~…だってマサル、森から帰ってきてからずっと元気ないブヒ』


「…そうか?」


俺は草の上に寝転びながら自分の額に手を当てた。


「ずっと新しい土地にいたからな…ちょっと疲れがたまってたのかも」


『ブヒ~…』


「なんだよ?本当だぞ?」


しかし俺が笑っても太郎は悲しい目をしていた。


『マサル~…無理しちゃ駄目ブヒ』


太郎はブヒブヒと鼻を俺に擦り付けた。


『僕は頼りないけど…マサルの親友ブヒ』


「太郎…」


『マサルのツラい時は僕のツラい時だブゥ~』


「……………」


太郎の言葉に胸が熱くなった。