「お。マサルおはよう」


俺に気付くと斧を置いた伸太郎。


「よく寝れたか?」


「いや、あんまり…」


鼻をかく俺に


伸太郎は割った薪を運びながらがははと笑った。


「まぁ昨晩みたいなことがありゃ~、寝れんよなぁ」


「え?」


伸太郎の発言に俺は鼻をかいていた手が止まった。


戸惑う俺に伸太郎は至って真面目に


「いや、すまんが盗み見させてもらっちまった」


「は?」


「お前ら…父親のいる家で青春し過ぎだぞ」


「………!!」


俺の顔はみるみる赤くなった。


伸太郎は淡々と薪を運び続ける。


「まぁキスぐらいははいいが…そっから先は許さんぞ」


は…はぁ?


「ちょっ…待て伸太郎」


「ん?」


「お…俺は何もしてないぞ」


「…………」


そこで伸太郎は初めて手を止めた。