この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

しかし


「…………」


1人騒いだ俺に対して、静かに目を閉じたままの美代。


まるで眠り姫みたいだ。


しかも月明かりに照らされた美代は、いつもより色っぽい。


ゴクン


思わず喉がなる。




美代は…


美代はいつの間にこんなに綺麗になったんだろう。












「っぷ…」


「ぷくく…も…駄目ぇ…」






―――…え???




笑いだす美代に

俺はポカンとした。


「くはは…///マサルさんの慌て様ったら…ふふふ…」


「え…?」


「ちょっとからかっただけなのに…」


「え、えぇ…?!」


からかった……だと!?


「ふふ、ゴメンね?」


美代は笑いながら涙を拭い、体を起こした。


「だけど…昨夜は私もびっくりしたんだもん。仕返しだよ」


「!!」


美代はぺろっと小さく舌を出した。