この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐


―――…え?





キ…………キス………??


「……………」


それだけ言うと


美代はすっと瞳を閉じてしまった。








えぇ……??!


えぇえ――――…?!?!



俺は思わず口があんぐりしてしまう。



な…な………


「み、美代?」


思わず声が裏返る。


「……………」


固まる俺に目を閉じたままの美代。



ななな、なんだこれ


俺はどうしたら良いんだ…?!


顔が一気に熱くなる。



というか……


昨日、美代は起きてたのか?


そんな…嘘だろ!?



俺は今にも燃えそうな顔面を、両手で覆った。


はは恥ずかしすぎる…!!


あり得ない………!!!


そして


パニック寸前の俺は、考えたあげくとりあえず謝ることにした。


「あの、み…美代…」



「ま…まさか起きてるとは思ってなくて」


「いや、寝てたら良いってモンじゃないんだが…その…あれは変な意味じゃなく…」


まとまらない頭で話す俺。


あれ?

なに言い訳してんだ俺。


謝るはずなのに、俺は気付くと言い訳をしていた。


「……ッ……ゴメン!」



そして、俺はそれ以上の言葉を失ってしまった。