この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「俺のマサルを見る目は正しかった」


伸太郎はがははと笑う。


「……………///」


俺は少し照れながら


ふとひとつ気になった。


「あれ…?ってことは、伸太郎はうさぎの俺の言葉を理解してたのか?」


「ん?」


「いや…だって…そうゆうことだろ?」


俺の問いかけに伸太郎は微笑んだ。


「まぁ、細かいことは気にすんな」


「え?いや、細かくないだろ。伸太郎が俺の言葉を理解してたなんてビックリだぞ」


それならそうと、当時から教えてくれれば良かったのに。


しかし伸太郎は笑うだけで、それ以上先は教えてくれなかった。








その晩は、久しぶりに伸太郎の手料理を食べた。


やはり自家農園で作る料理は旨い。


その後、俺は風呂に入り


熱くなった体を縁側で冷ますことにした。


ここは夏でも朝夜は10℃近くまで冷える。


縁側に座ると冷たい夜風に濡れた髪がなびき、心地よかった。