この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

『…………』


伸太郎はどこまで本気で言ってるんだ?


俺は…うさぎだぞ?


うさぎの俺が人間の美代を守れるなんて本気で思っているんだろうか。


だけど…


伸太郎はこんな俺にいつも対等で接してくれた。


言葉だって通じないはずなのに伸太郎とはいつも繋がっている気がした。


たかだかうさぎの俺を


伸太郎なら本当に信じてくれているのかもしれない。


そう思うと俺は嬉しかった。


だから俺は言ったんだ。


『伸太郎が望むなら俺が美代を必ず守る』


俺の言葉に伸太郎は微笑んだ気がした。






――――――――
――――…




「やっぱりマサルは俺が見込んだ通りの奴だったな」


伸太郎の言葉に、俺はハッと現実に戻った。