この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

伸太郎の言葉に美代は俺を見る。


「じゃあマサルさんも一緒に行く~?」


「ん?あぁ、俺も行こうか?」


美代の言葉に俺は腰を浮かせた。


しかし、そんな俺たちに伸太郎が待ったをかける。


「いや、マサル君はまだどら焼を食べてないだろ」


「え?別に俺そこまで腹はすいてないけど…」


「まぁまぁ、そう言わずに食べなさい」


「…………」


「積もる話もあるしな?」


伸太郎はそう言うと、意味深に俺に笑いかける。


あ…そう言うことか。



こうして


美代は一人で畑へと出て行くことになった。







さて、


ようやくリビングに二人きりになった俺と伸太郎。


しかし積もる話もどこから話せば良いのだろう。


俺はチラリと伸太郎の顔を盗み見た。