この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

そんな奈津子の反応に


他の動物たちもワラワラと集まってくる。


『なんや、奈津子ちゃんがえらいびっくりしてはるワン』


そう言うのは犬のサクラ。


雑種だが見た目は柴犬っぽい雌の犬だ。


「よぉ、サクラ。俺はうさぎのマサルだ。奈津子は俺を見て驚いてんだよ」


今度は犬の言葉で話す俺。


『え……!?お前はん、マサルはんどすワン??!』


サクラもまた驚いた顔で俺を見た。







『なんやブゥ?なんの騒ぎだブゥ?』


うさぎ時代、いちばんよく一緒にいた豚の太郎が近寄ってきた。


「た、太郎!会いたかったぞ!」


『だ…誰だブゥ?!なんで僕の言葉がわかるブゥ?!』


いきなりテンションの上がる俺に、太郎は訝しげな顔で俺を見た。


「俺だよ…!うさぎのマサルだよ!」