この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「あ…あぁ…そうか…」


俺はひきつる顔を抑えながら、リビングに戻った。


「ち、ちなみに…俺のことはメールには書いたのか?」


もしそうなら、この時点で全てが終わる…



「ん?書いてないよ~」


美代はニッコリ笑った。


「だってメールで説明するの大変だし…いきなり一緒に行ってパパをビックリさせちゃお?」


そう言って美代は無邪気に笑った。


「うふふ、パパびっくりして腰抜かしちゃうね」


まるでいたずらっ子な天使のような美代。


「…………」


俺はもはや返す言葉も見付からなかった。


腰を抜かす程度で済むだろうか


いや…済むはずがない。


もしかしたら俺の命の灯火は、伸太郎によって消されるかもしれない…








そして結局、有効な打開策が見付からないまま



俺と美代は週末を迎えたのだった。