この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐



チュン‥チュン―――…‥








ふわりと揺れるカーテンから、日射しがこぼれ鳥のさえずりが聞こえてくる。



「…ん……」


俺は重い瞼をうっすらと開けた。


もう朝か…


ふぁ、とひとつあくびをすると俺は布団から上半身を起こした。


よく眠れたらしく体がスッキリしている。


美代は俺の隣でまだ口を開けて寝ていた。


ふ…

またヨダレを垂らしてやがる。


美代の寝顔に平和を感じつつ、俺はうーんと伸びをした。


―――ん?




「あ…れ?」


そういえば…


俺は改めて自分の体を見た。


「あれ……?戻ってる??」


昨夜は確かにうさぎだったはずなのに。


俺の体は今また人間に戻っていた。



ど…どういうことだ??