この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐



ゴ―――――――‥…








冷風で俺の毛を乾かしてくれる美代。


美代は濡れた髪をタオルで一纏めにして時計を見た。


「マサルさん…今日は山吹さんのところにでも行ったのかなぁ…」


美代はドライヤーをしまうと、俺を抱いて寝室に向かった。



『今日は一緒に寝るのか?』


うさぎの時はいつもゲージで寝ていたのに。


美代は俺と再会出来たことがよほど嬉しいらしい。


片時も俺を離さない美代。


美代は布団に入ると俺を抱いた。


「マサルさん…明日からもずっといてくれる?」


美代は俺がまたいなくなることを心配しているようだった。



『俺は…いつだって美代の隣にいるよ』



姿を変えても…


俺はいつだって美代の傍で、美代だけを見守っている。


近い将来、この命が消えたとしても俺はきっと空から美代を見守り続ける。



美代は俺の頭を優しく撫でるとその瞳を静かに閉じた。


「マサルさん…おやすみ」


『おやすみ、美代』




明日になったら山吹か銀にこの状況を確認しよう。


そう思いながら、俺も美代に寄り添って眠りについた。