この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐














「は~?何この人だかり?あり得ないし」






注文する声に混じり、ふと夏美の甲高い声が聞こえてきた。



――あぁ?


俺は焼きそばの麺を素早く調理しながら、顔だけ振り返ってみる。


すると


「やっほーマサルさん!来ちゃった☆」


客に紛れてカウンターから顔を覗かせる3人組の姿があった。


み、美代…


まぶしい美代の笑顔が、疲労のせいか神々しく見える。





「お、美代ちゃんいらっしゃ~い♪」


カウンターに腰かけていた山吹は


美代たちに気付くと、そのままストンとカウンターから降りた。


「すまんがマサルさんは今ちょっと忙しくてなぁ」


俺の代わりにしゃしゃり出る山吹。


状況を分かってるなら手伝ってくれと言いたい。