この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

しかし…


海鳥は一体何を食べるんだろうか?


かき氷

焼きそば

いか焼き…


「…………」


どれもいまいちピンと来ない。



「なんかお探しでっか~?」


俺が思考を凝らしているとまた店員の声がした。


「いや、海鳥の餌を…」


俺は写真を凝視しながら答える。


「海鳥~?海鳥なんか一匹餌あげたら群れで来よるで?」


「…………」


馴れ馴れしく話し掛けてくる店員。


俺はその態度に軽く苛つきを感じていた。


しかも…微妙に聞き覚えのある声だ。


「まぁ、どうしても海鳥に餌やりたいならポップコーンなんかええんちゃうか?」


しかもこの口調…。


俺は顔を上げて店員の方を見た。


!!


その瞬間、俺は目を見開いた。



「銀はポップコーン大好きやねん。海鳥も同じ鳥類ならポップコーン好きなんちゃうか?」





「や、山吹…!?」


山吹は、深くかぶったキャップ帽のつばを軽く持ち上げ、にやりと笑った。