この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「きゃ~すごい!マサルさん、すご~い!」


興奮する美代に俺は微笑む。


『なんか用っスカ?』


海鳥は俺を見上げた。


「俺はマサルだ。この海にはイルカがいるって聞いたんだけど」


『あぁ~今日はもっと沖にいるっスネ』


「そうなのか…」


俺は少し残念な気持ちで海鳥の頭を撫でた。


イルカが見れたら美代がもっと喜んでくれるのに。


そう思い俺が美代を見ると


美代は目をきらきらさせて俺と海鳥を見ていた。


「すごい…!マサルさん海鳥と話してるみたいに見えるよ!」


俺は少し得意気にふふんと笑ってみせた。



『何?イルカ見たいっスカ?』


「ん?あぁ、出来れば」


海鳥は丸い目をくるくるさせる。


『なんか食い物くれたら呼んでやるっスヨ』