しかし
何を勘違いしたのか…
美代はそのポロシャツをくしゃっと丸めると
バスケのシュートを決めるように、荷物置き場に向かって投げた。
「あっ……」
俺の声と共に
ポロシャツは綺麗な弧を描いて飛んでいく。
丸められたポロシャツは後半、空中でだらしなく広がり失速した。
そしてそのまま
俺のポロシャツは見事にブルーシート手前の砂浜に着地した。
「あ、おしい」
美代は残念そうな声を出す。
「な、なにしてんだよ」
せっかく貸してやったのに…
俺は美代を見た。
「え~?マサルさんが私に託したくせにぃ。嫌なら最初から自分で置きにいけば良かったんだよ」
美代は頬を膨らませた。
「………そうじゃなくて」
なんと言えば良いのか分からず戸惑う俺に
「まぁまぁ、砂は後ではらえば大丈夫☆それより海に入ろうよ」
美代は誤魔化すように笑顔を見せた。
そして、早く早くと促すように俺の腕を取る。
照りつける太陽に熱くなった肌がふれ合い、俺の心臓がドクンと跳ねた。



