この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「え………？」


俺の言葉に首をかしげる美代。


そんな美代の表情に


俺が正直に話したら美代は喜んでくれるだろうか…？


言ってあげたい


言ってしまいたい……



そんな気持ちに刈られた。


だけど…


俺は唇を噛み締めた。


「詳しくは言えないけど…マサルは平気だ。だから美代も寂しがるな」


「…………」


山吹や銀が無理をして俺の願いを叶えてくれたのに


これ以上、俺のわがままで２人との約束を裏切る訳にはいかなかった。



だけど…


なぁ、美代


俺の気持ちを美代に伝えるぐらいは許されるだろうか？


ずっと伝えたかったんだ――…








俺は美代を見つめた。


「うさぎのマサルの代わりに…俺が美代を守ってやる」


ずっと美代が好きだったんだ


「俺が美代を寂しくさせない」


1ヶ月だけ…


1ヶ月だけだけど


その間に俺は何があっても美代を守るから。







俺はちらりと美代を見た。


案の定、美代は戸惑った表情で


だけど頬を真っ赤に染めていた。


そして


「あ、ありがとう…///」


蚊の鳴くような小さな声で言ってくれた美代に


俺も自分の顔が赤くなるのがわかった。