同じ光景を見ていた美代がゆっくりと俺を見た。


ほのかに顔色が悪いのは気のせいではないだろう。



俺と美代は、とにかく謝ろうと決め1階に向かったのだった。
















「はい、本当に…すみません。決してイタズラじゃないです…」


店員に頭を下げる美代。


そんな美代の隣で俺はマネキンを見ていた。



真っ赤なビキニを着て腰に手を当てたマネキンの頭に


見事に乗っているコーン。


それはまるでパーティー帽のようにも見えた。




てか…どれだけの確率で命中してんだよ


普通にあり得ないだろ。







俺は、俺のせいで謝り続ける美代に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。



「え?もちろん水着は買い取ります…!はい、本当にすみません…」


頭から滴り落ちたアイスはマネキンの胸の谷間を伝い、ビキニも汚している。




ただでさえ金欠なのに…


俺たちは結局、ビキニを買い取ることになってしまった。