――そんな時だった
「きゃ――――!!」
吹き抜けをぬけて1階から叫び声が聞こえてきた。
「??!」
突然の悲鳴に、俺と美代は手すりから頭を覗かせ1階を見下ろした。
1階の吹き抜け下は、夏の水着の特設コーナーになっている。
ビキニを着た何体ものマネキンがポーズを決めており
そのマネキン達の前で店員らしき女性が目を見開いていた。
なんだ?!
その視線を辿り、俺はもう一度マネキンに目をやった。
すると
ポーズを決めた一体のマネキンの頭のてっぺんに
三角コーンのアイスが逆さまに突き刺さっていた。
ぐしゃりと溶けた水色のアイスは無惨にマネキンの頭から滴り落ちている。
「……………」
俺は恐る恐る自分の手元を見た。
ない…
さっきまで確かに掴んでいたはずの俺のアイス。
それがなぜか無くなっていた。
「…………」
どうやらさっきアイスを吐き出した瞬間に飛んでいったらしい。



