この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐

「ちなみに…聞きたくないんやけどマサルさん。そこにクソしてその後どうするつもりやってん」


「は?いつも通り美代がトイレに流すだろ?」


山吹は知らないだろうが


俺のウ○コは毎朝美代によってトイレットペーパーで回収されて


きちんとトイレに流されてんだよ。


俺がたくさん出すと美代はいつも、スゴいねって褒めてくれてたんだ。



そんな俺の態度に山吹は顔に手を当てた。


「はぁ…戻ってきて良かった…俺ってやっぱり天才やな」


「???」


山吹はため息で前髪を吹き上げると俺の肩を抱いた。


「よしよし、ウサギちゃん。今からこの俺が人間の品格っちゅうもん教えたるわ。よう聞いとけ」


「は?」


山吹は俺の手をひくと、トイレへ直行した。


「ええか?これから排泄系は全部トイレでやるんや。その際レバーで流すのを忘れたアカンで。節水のためになるべく小レバーを…」


山吹は人間として生活していく上で必要そうな知識を教えてくれた。


「トイレの後は便座おろすんやで。その方が美代ちゃん喜ぶからな」


「風呂ん時は頭はこれで洗う。体はこれで洗うんや」


「……それはもう美代に聞いた」


「ん?まぁ黙って聞いとけ」


「……………」


こうして結局山吹のレクチャーは美代が戻る直前まで続き


俺は排泄のタイミングを逃してしまったのだった。