「え?うちにですか?」


「せや。ええやろ?」


「…………」


山吹の言葉に、さすがの美代も戸惑いの表情を見せた。


そりゃそうだ。


初対面の男(俺)を、一晩泊めてくれただけでも奇跡なのに。


「美代、いいよ。そんな無理しなくて」


俺は言った。


「え~!そやかてマサル君どこ泊まるねん?」


「別に…緑地公園とかどこでも適当に過ごせるだろ」


緑地公園にはボスがいるし。


迷惑かもしれないけど、ボスの寝床に泊まるとか。


もしボスに断られても昨夜のベンチで過ごせば良いし。


どちらにせよ寝る場所くらい、どうにでもなる。


問題はむしろ食糧とか風呂とかそっちだ。


さすがに人間になった今きっと食糧が草だけじゃ体がもたないだろうな…。


米だけでも分けてもらえないか美代に頼んでみるか?