「へへ、なんやマサルさんは女みたいにつるつるやのぉ」


「…………」


山吹は何がおかしいのかまたニヤニヤしだした。


黙っていれば完璧なまでに整った顔なのに。


山吹はかなり人格破綻者だった。









そんな時だった。





「ん、マサルさん…?誰といるのぉ?」


カラカラ…とベランダをあけながら寝起きの美代がやって来た。


「み、美代…!」


背後から美代に声をかけられて反射的にびくっとしてしまう。


そんな俺に対して、山吹は余裕の笑みで美代に言った。


「あ~どうも、マサル君の親友の山吹っちゅう者です」


「は?!」


や…山吹???


なに勝手なこと言ってんだ?


てか山吹の姿って普通の人間には見えなかったんじゃ…?


だけど美代は眠そうな目をこすりながらも山吹を見ている。


「あ…どうも、マサルさんのお友達でしたか…」


そう言って小さく会釈する美代。


山吹もへらへら笑いながら頭をペコペコした。


「いやぁ朝からすんませんなぁ。実は美代ちゃんにお願いがあって来たんすわぁ」