「ひゃひゃひゃ…マサルさんスマン。嘘や嘘」


「は…はぁ!?」


怒る俺に山吹はまだ笑っている。


「いやぁ、朝から笑た~」


山吹は笑いすぎて涙が滲んだ目をこすっている。


「そんなんションベンしたら直るがな」


「!!?」


『山吹、マサル氏で遊ぶんじゃないっポよ』


たまらず銀が援護してくれる。


「くくく…せやかてオモロイんやもん。てか、いつの間にかマサル君の治ってるやんか」


「……?!」


山吹の言葉に俺が下を向くと、本当にいつの間にか元に戻っていた。


『マサル氏は人間になりたてやから何もかもが分からんっクル~』


「せやな。すまんのマサルさん」


山吹は今さら真剣に謝った。



「ってか…何しに来たんだよ」


俺はため息をつきながら山吹を見た。


「ん、色々マサルさんに助け舟を出そう思ってな」


「助け舟…?」


「せや。例えばヒゲの剃り方ひとつ分からんやろぉ?」


「…ひ…げ……」


山吹の言葉に思わず自分の顎を触る。


そこはつるつるのままだった。