「あ、あなたの着替えがないから近くのコンビニに」


そうだったのか…


「床、濡らしてすまん。風呂ありがとう」


俺はTVを見ている美代の横に座る。


風呂上がりには、よくこうして二人でTVを見ていたから。


またこんな日が来ることを俺は嬉しく思っていた。


そんな時、突然美代が俺を見た。


「この匂い…もしかしてあなたマサルさんのシャンプー使いました?!」


少し驚いた顔をしている美代に俺は首をかしげる。


「なんか問題あったか?あれでいいんだろ?」


「違いますよ!あれはマサルさんのシャンプーです。マサルさん用ってマジックで書いてあったでしょう?」


信じられないという顔で俺を見る美代に俺は焦った。


そうか…


あの文字は"マサルさん用"と書いてあったのか。


俺はまたもやしどろもどろになりながら言い訳を考えた。


「わ…悪い」


俺は頭をかきながら言った。


「あの、俺も…マサルって名前だから…勘違いしたっつうか…」


俺の言葉に美代は一瞬、へ?という顔になった。