「夏凛ーっ!」

そう校門前で手を振る、私の親友の立花夢羽。


校門といっても、毎日くぐっていた校門ではない。


これから、初めてくぐる校門。


「あ、夢羽ー!」

私、椎名夏凛も、夢羽に向かって大きく手を振る。


そして、夢羽の立っている「星華高校入学式」という看板の前まで全力で走る。


10秒ほど全力で走り、夢羽の所に着いた頃には、ぜぇぜぇと荒い息になっていた。



「あはは、夏凛体力なさすぎっ」

「っあー・・・だ、って・・・っ、はぁ・・・はぁっ」



膝に両手をつき、何とか体を落ち着かせる。


「ん、もっ・・・大丈夫っ」
「うん。じゃあ行こっか・・・!」




そうして、私たち二人は、これから始まる新しい高校生活に足を踏み入れた・・・。