それから沈黙が続いた。



「彩……雨…降ってるよ」



窓を見ると細い雨がいっぱい降っていた。


それはまるで恋が目に溜めてる涙のように。



「傘ないよね?貸してあげるね」

「………泣けよ」

「え?」

「溜めんなよ…泣きたいなら泣けよ」

「彩……」



恋は静かに泣いた。


親に気づかれないように…。


何も言えないしアドバイスも出来ない。


だけど、これだけはわかる。


恋は辛かったんだ。