空はどんよりと曇っていた。
彩は空を見上げていた。
ねぇ、彩?
今、何を考えてるの?
今、何を思っているの?
彩の事もっと知りたいよ…。
ねぇ?教えてほしいよ…。
教えてよ…ねぇ?
彩がアタシに気づいた。
「……何しに来たんだよ」
「…アタシは、彩の事もっと知りたいの!」
「……はぁ?何言ってんの?」
アタシだって自分が何言ってるのかわからないよ。
口が勝手に動いて、のどが勝手に言葉を出してるの。
「アタシのお姉ちゃんは3年前に死んだ。お姉ちゃんもヤンキーだったの。お姉ちゃんを守りたいって思ったの。でも守れなかった…」
「…聞いてる?何言ってんの?」
「彩はお姉ちゃんと同じ目をしてた。お姉ちゃんと重ねたらダメだけど彩を守りたい…って思った」
なんでだろう…。
心の仲の気持ちと今まで溜めていた涙がドンドン溢れてくる。
喋り出したら止まらない…。
泣き出したら止まらない…。

