「起きて来ないわね」
「当たり前だけどな」
お母さんのすすり泣き声が聞こえる。
無言で朝ご飯を食べ続ける。
「……ごちそうさま」
スッと立って部屋に向かった。
もう3年も経つのに未だにお姉ちゃんの死から抜け出せない両親。
こんな事言ったら、お姉ちゃんに怒られちゃうけど。
二人には、お姉ちゃんが死んだ事を忘れてほしい。
そうじゃなきゃ、いつまで経ってもこんな感じ。
昔みたいに家族で笑っていたい。
お姉ちゃんがいなくても、笑ってられてたのに。
お姉ちゃんのせいって言ってるんじゃない。
でも、このままじゃいけない気がするから。