それにしてもやけに静かだ。 父親がこんな静かなのは珍しい。 ちょっとのぞいてみる…か。 おそるおそるリビングに向かった。 かすかに鉄の匂いがする。 「この匂いって…」 一度匂った事のあるかすかな匂い。 「まさか!!」 鉄の匂いがする方に駆け足で向かった。 「親父!!!」 私の目の前には血を流した父親が倒れていた。 「おい!親父!親父!」 何度呼びかけても返事はない。 もしかして……死んでる?