「ただいま」



小さな声でつぶやいた。


父親の靴はあるのに返事はない。


知らない女の靴はないし、酔っ払って寝ているのだろう。


自分の部屋に直行する。


私は変わったんだ。


変わってるんじゃなくて変わったんだ。


本当に嬉しかった。


初めて言われた言葉だった。



『お前は変わってるんだ』

『あんた…可笑しい』



こんな事しか言われなかった私だった。


だからすごく嬉しかった。