「……うん」

「彩のおかげだよ」



違う。


私は何もしてない。


むしろ違う方向に進ませてしまった。



「…私は何もしてない」

「彩のおかげだよ?何もしてなんかない」



どういう事だよ…。


本当に何もしてない。



「彩の強さがアタシを強くさせたんだよ」



私の強さで恋が強くなった。


違うよ。


恋はそう言うけど本当は違う。


恋は強い子なんだ。


姉貴が死んだ事で一度は弱くなった心だけど本当の心は強いんだ。


喧嘩とか口が強い訳じゃない。


私とは全く別の、心が強いんだ。


その強さなら何でも乗り越えられる。


私はそう思った。