先程までのお気楽な那智とは違い


まるで目の前の敵を威嚇するように睨んでいた


那「龍姫に俺の何がわかるって言うんだよ...」


龍「俺は那智じゃないんだから何にもわかるわけないじゃん。

那智が自分で口にしないと限り、周りにいる奴は理解できないぞ。

だから言え、その諦めた瞳の原因を。」



龍姫の言葉に那智は腹を抱えて笑いこけた


那「アハハッ、龍姫は相談にのってくれてるんだろうけど。


それじゃァ一種の脅しだよ!!笑」


那智の側にいた樹と蓮も同じように笑っていた




那「本当君には敵わないよ。

さっきも言った通り、俺は羽柴組のガキ。
少し前までは普通に組で暮らしてたんだけど、今は家出中。

なんか親父人格が変わってね...」


淋しそうな表情でぽつりぽつりと話しだした



那「今までは組の方針も御海道組と一緒で仁義を重んじ、薬には手をつけないっていうきまりでやってきたんだ。

でも薬の売買に手を付け、他の組のシマを荒らすの最低なこともやり始めたんだ...

そんな親父の姿を見るのが嫌になった俺は家を飛び出して、破龍華の奴らと暮らすようになったんだ...。

俺の親父はどうしてあんな最低な人間になっちゃったんだろうな...」



あの頃優しかった親父は


今はもう

何処にもいない...