「その花、くれるんですか?」 「卒業祝い」 花束を向けられる。 受け取らずに、僕は自分の花束を1つ 先輩に押し付けた。 そうして残った1つを、 ほどいて、吹かない風に乗せてみる。 ……花はそのまま、真下へ落ちた。 紙ふぶきに混じって、 誰かが掃除するだろう。 これは自分への卒業祝いだ。 やっぱり僕は、この学校から卒業しよう。