朝食の後、部屋に戻ろうとすると、籐兵衛が零次朗を引き留めた。
「零次朗殿、あなたはいずれ指導者となる宿命を背負っておられます。この村の外で生活をするとなると、その宿命のため、様々な障害に出会うことでしょう。この村におれば、皆が守ってくれますが、戻ればそうはいきません」
「小太郎がいます。それに龍太も」
零次朗は、横にいる小太郎を見て、そして手を胸に当てた。
「わかっております。彼らは、一流の霊魔です。力に不足はありません。問題は零次朗殿自身にあります」
籐兵衛には、小太郎が見えるようだった。
「未だ高校生ゆえ、心が幼いのです。ですから、小太郎も龍太も、力を完全に発揮できないでいます」
「では、どうすれば・・・・」
「今すぐどうすることもできませんが、補佐役を村人から一人つけることにします」
「補佐役って、誰ですか」
「吉太郎という男です。今は訳あって、この村をでてますが、信頼のできる者です。小太郎は吉太郎を知っているな」
《ああ、知っている。良い男だ。零次朗の守り役にはちょうどいい》
小太郎は、笑顔で頷いた。
《零次朗、吉太郎は・・・》
「小太郎、何も言うな。いずれ判るときが来る。それまでは、余計なことは言うでないぞ。わかったな」
籐兵衛は厳しい口調で、小太郎の言葉を遮った。
小太郎は、素直に呟いた。
《わかった。約束する。そうだ、この話はしてはならない話だった》
「零次朗殿、ひとつ約束してくだされ。吉太郎の素性を知りたいと思わないこと。いずれ本人が語るまで、我慢することを」
「わかりました。事情があるみたいなので、何も聞かないことにします」
「零次朗殿、あなたはいずれ指導者となる宿命を背負っておられます。この村の外で生活をするとなると、その宿命のため、様々な障害に出会うことでしょう。この村におれば、皆が守ってくれますが、戻ればそうはいきません」
「小太郎がいます。それに龍太も」
零次朗は、横にいる小太郎を見て、そして手を胸に当てた。
「わかっております。彼らは、一流の霊魔です。力に不足はありません。問題は零次朗殿自身にあります」
籐兵衛には、小太郎が見えるようだった。
「未だ高校生ゆえ、心が幼いのです。ですから、小太郎も龍太も、力を完全に発揮できないでいます」
「では、どうすれば・・・・」
「今すぐどうすることもできませんが、補佐役を村人から一人つけることにします」
「補佐役って、誰ですか」
「吉太郎という男です。今は訳あって、この村をでてますが、信頼のできる者です。小太郎は吉太郎を知っているな」
《ああ、知っている。良い男だ。零次朗の守り役にはちょうどいい》
小太郎は、笑顔で頷いた。
《零次朗、吉太郎は・・・》
「小太郎、何も言うな。いずれ判るときが来る。それまでは、余計なことは言うでないぞ。わかったな」
籐兵衛は厳しい口調で、小太郎の言葉を遮った。
小太郎は、素直に呟いた。
《わかった。約束する。そうだ、この話はしてはならない話だった》
「零次朗殿、ひとつ約束してくだされ。吉太郎の素性を知りたいと思わないこと。いずれ本人が語るまで、我慢することを」
「わかりました。事情があるみたいなので、何も聞かないことにします」

