私は首を縦に振ると、赤外線でデータを送るために携帯を開いた。


「よし準備完了!‥‥‥?ちょっと西須朔近いんだけど。」


顔を上げると3メートルくらい離れていた西須朔がすぐ目の前に。



「いや赤外線通信するんだろ?」


そうなんだけど、近すぎる気がしてならない。


近くで見る西須朔は、丸で漫画に出てきそうな美少年で、私は直視することが出来ず理由も分からず後退る。



「男嫌いって本当か。」

私に聞こえるか聞こえないかの声で呟く西須朔。

しかし人通りが少なく静寂な用具室。


彼の声は私の耳にスッと入るようはっきりと聞こえた。


私は黙り混む。


何か言葉を返したいのに返す言葉が見つからない。


何故なら、彼の言ったことは当たっているからだ。