「まっ… 真白くん…」
玄関の前で座り込んでいた俺を見た奈緒は、心底驚いた様子で口にした。
「どうしたの? なんでここに… 謹慎中でしょ」
突っ立っている奈緒をよそに、俺はデニムの裾を手で払い、静かに立ち上がった。
「…今帰り? 随分遅いんだな」
目を細め、携帯で時間を確認した。
夜、10時半少し過ぎ
「あの変態ヤローと飯でも食ってたわけ?」
皮肉を込めた言い方しかできない俺を見て、奈緒は顔をしかめた。
「あなたには関係ない」
「あっそ。んじゃ俺、帰るわ」
俺は小さく手を挙げて、彼女の前を通り過ぎる。
「あ…」
俺が通り過ぎた瞬間、奈緒は俺を呼び止めようとしたが、開きかけた口を結んだ。
いくら知り合いでも、謹慎中の生徒を中に入れるわけにはいかない…
実際にそう思ったかは解らないが、とにかく奈緒は俺を呼び止める事なく、俺の背中を見送っていた。
玄関の前で座り込んでいた俺を見た奈緒は、心底驚いた様子で口にした。
「どうしたの? なんでここに… 謹慎中でしょ」
突っ立っている奈緒をよそに、俺はデニムの裾を手で払い、静かに立ち上がった。
「…今帰り? 随分遅いんだな」
目を細め、携帯で時間を確認した。
夜、10時半少し過ぎ
「あの変態ヤローと飯でも食ってたわけ?」
皮肉を込めた言い方しかできない俺を見て、奈緒は顔をしかめた。
「あなたには関係ない」
「あっそ。んじゃ俺、帰るわ」
俺は小さく手を挙げて、彼女の前を通り過ぎる。
「あ…」
俺が通り過ぎた瞬間、奈緒は俺を呼び止めようとしたが、開きかけた口を結んだ。
いくら知り合いでも、謹慎中の生徒を中に入れるわけにはいかない…
実際にそう思ったかは解らないが、とにかく奈緒は俺を呼び止める事なく、俺の背中を見送っていた。


