窓から望める季節はやがて移ろい、鮮やかな光をもたらしていた。

長い長い冬が終わり、桜の花が散り終わった頃。流れる風は強く、とても暖かかった。

しかし、季節が変われど、朝は朝…

柔らかい朝日がこの部屋に差し込み、けたたましいくらいの音が鳴る目覚まし時計を止めることから、俺の朝が始まる。

最近は鳥のさえずりなど、聞いたことがない。ただただ朝は慌ただしく、寝ぼけた目をしっかり開けて家を出るのが日課であった。

飽きるくらい、俺は毎日、同じ朝を迎えていた。