黒ユリのタンゴ

「まあね。その通りだと思うよ。」


ということは、少なくとも私にもまだ望みがある。


「うふふふ~」

思わずにやけてしまった。


「ちょっと、アンタ気持ち悪いよ!」

「だって、彼女がいないってわかったわけだし~」


もう、勝手にしなさいよ、そういって智香は笑っていた。



携帯を見る。

もうすぐ8時だ。


ボスからのメールを心待ちにする。