黒ユリのタンゴ

この人が今年の『ミス文芸部』。

思わず、そう直感した。

でも「心配すること」って、どういうことだろう。

・・・ちょっと気になる。



どうやらボスが私に気づいたようだ。

その女の人に声をかけると、私を紹介してくれた。


「こちらは、1年の実行委員の黒井さん。

そしてこちらが、今年の札の読み手。

文芸部2年の浜田美由紀さん」


はじめまして。黒井です。

私が挨拶すると、その人は澄んだ声でこう答えた。


「浜田です。宜しくお願いします。」



こうして私は、百人一首大会の「もう一人の主役」にようやく会えたのだ。