黒ユリのタンゴ

こんにちはー、と生徒会室の扉を開ける。

部屋の中にはボスと光永先輩、そして一人の女の人がいた。


・・・誰だろう。
生徒会の人かな??

しばらく様子を見る。



「というわけで、当日はよろしくね」

にっこり微笑むボスと光永先輩。

「頑張りなよ、ミユキ。」


ところが声をかけられたその人は、終始浮かない表情をしている。


どこか体調でも悪いのだろうか。


光永先輩は、そんな「ミユキさん」を励ましているようだ。

「大丈夫だよ、何も心配することないんだから。」


その人はそうだね、とつぶやくとボスに向かってこう挨拶した。

「はい、当日は宜しくお願いします」