黒ユリのタンゴ

「その3年の先輩は、山崎先輩と仲がいいんですか?」

今度は神田君が質問する。


「うーん。2年のときは結構文芸部繋がりで仲良くしてたみたいだけどね。

今はどうなんだろう。
あんまりヤマさんからも彼女の話聞かないし」


あっ、またベラベラしゃべってヤマさんから怒られちゃうかも。


プリンス先輩はこんな心配をしていた。
どうやらボスのことがちょっと怖いようだ。

・・・なんだかかわいい。



「大丈夫ですよ。文芸部もその2年の先輩にする、って決めてるみたいですし。その方も納得ずみじゃないですか?」

「そうですよ。その先輩には仕方ないけど、決まりごとですしね」

「私達はイベントの成功を考えときましょうよ」


二人で必死にプリンス先輩をフォローする。

「そうだね。僕も『ミス』を楽しみにしておくよ」

私達はそれじゃ、とチャリに乗って帰り道についた。



今日の会話が後に影響してくるとは。
このときの私は全く想像していなかった。