「そうそう。黒ユリちゃんも生徒会の一員だし、いいところ見せてもらわないとね」


生徒会長の言葉を受けてニヤ~っと微笑んだのは、もちろん今回の百人一首実行委員長。


私の直接のボス、と言ってもいいのだろうか。

仲良くしてもらっているが、このボスが結構手ごわいキャラ。


「先輩たちは成績優秀だからいいんですよ~ぶつぶつ」


可愛げなくぼやいた私に、すかさずボスが近づいて耳打ちする。

「なに言ってんの、黒ユリちゃん。そんなんじゃ、ライバル白ユリちゃんに負けちゃうぞ。」


わかってますよ。それぐらい。



ボスに「ライバル」と言われた当の白ユリはというと、アチラで会計の仕事をしているはず、だ、が?


・・・な・ぬ!?

先ほどの緊張はどこへやら、すっかりいつもの雑談モードに戻った部屋の中で、なんとちゃっかり白ユリはプリンス先輩とお話ししているではないの!!

とんだ抜け駆けだ!

ボスも目ざとく見つけたらしい。
「おやおや、プリンスも笑っちゃってて」