黒ユリのタンゴ

ポスターの話を聞いた智香は、ふーんとつぶやいたあと、にっこり笑顔になった。


「そんなことなら任せてよ。あたし中学のとき、そういったポスターのコンテストで入選したことがあるんだ。」


・・・聞いた事ないですが。
本人はちょっぴり得意気だ。


「ちなみに、なんのコンテストで・・・」
「『夜道に注意』みたいな標語のやつ。結構リアルに怖さを描けてさ」


・・・贅沢は言ってられない。
少なくとも私よりは絵心やデザイン感覚があるようだし、智香にお願いすることにした。


「ノルマは2枚なんだ。だから、1枚手伝ってくれる?もちろんボスには『これは智香が書いてくれました』って言うから」


「任せてちょうだい!!サイズはA3だよね。私にかかればちょちょいのチョイ、よ!」

「ありがとう!ほんとカンシャ。私こういうのぜんぜんダメで・・・(涙)」


「そうだ。どうせなら、今週末一緒に作る?あたしんちに絵の具とか太めのマジックとかあるしさ」


これは心強い展開に!
ダメもとだったけど、思わぬ智香の才能?に救われた。

私達は改めて友情の固い握手で結ばれたのであった!