黒ユリのタンゴ

智香は私の手を取り、がんばれ。と励ましてくれた。

私には智香がついてくれている。


浜田先輩の言葉をふと思い出した。


分かってもらおうとしてもダメ。

自分で伝えないとね。




「うん。行ってくるよ。」



手を振りながら、教室を出た。

そのまま旧館校舎へ向かう。



旧館の渡り廊下に近づいたとき、誰かが後ろからついてきているのが分かった。


・・・白ユリだった。