黒ユリのタンゴ

そうと決まれば。


シナリオは、こうだ。

私が「文芸部1年」。

文芸部に、私立大学の赤本が忘れてあるが、小倉先輩ではないか。

その際に「さりげなく」体調や冬休みについて聞く。



「責任重大だよ。

なにかあったら、目で合図してね」


神田君の励ましを受けて、いざ。


私は携帯を取り出すと、

住所録に書かれた電話番号にダイヤルした。


コール音が、いつになく大きく聞こえた。