黒ユリのタンゴ

神田君からメールが入ったのは、結局木曜のお昼だった。

『放課後、うちのクラスに来てね』


・・・ずいぶん待たせてくれるじゃないの。


長丁場になっては、と購買で「ろばのくりーむパン」を買い込んで神田君のクラスへ向かった。


「どうもー」と教室の扉を開ける。

C組って、あんまり知り合いいなかったから来たことないんだよね・・・。


どうも初めての教室は調子が狂う。


見回しても、神田君の姿が見当たらない。


仕方ない。待たせてもらうとしよう。


その辺の子に席を聞き、隣の席に座っておくことにした。