黒ユリのタンゴ

何かわかったらメールをするね、こういって神田君とアドレスを交換する。



帰り道、チャリをこぎながら考える。


調べてみる、とは言ったものの。

おそらく「誰」ぐらいはすぐわかるだろう。


ただ、問題はそこから先。


お互い3年の文芸部に知り合いもいない。

かといってボスから、というのも今の状況じゃありえない。


私たちは勝手に調べようとしているのだから。



「しかしむかつくわよね。

大会なんて止めさせないわよーだ!!」


私はぼんやりとした犯人に向かって叫んでいた。