……ドンッ!!!
タケルは牛舎の、牛に敷く藁の塊の所へ飛んだ。
四角く固められた藁に衝撃は吸収されつつも
「……!!」
少し息が止まった。
「お前良い加減にしろよっ!!とろっとろしやがって!!」
そう言うのはタケルの父。
「…ごめん」
タケルは、父にそう言うしかない。
あれから一週間。
田中家の作業も、家での作業をしていても気が抜け、どこか上の空のタケルに、タケルの父とあかりの祖父は、心配していた。
そして、朝、一緒に作業はしてるものの、夕食までは顔が合わせなくく、あかりとはあまり会っていなかった。
そんな矢先、夕方の搾乳を手伝ってた際、乳房炎にかかっている牛に誤って搾乳器を取り付けようとしたのである。
乳房炎から取った牛乳をせっかく健康な牛に取った牛乳に混ぜてしまうと、その牛乳には出荷価値が無くなってしまう。
その現場を目撃した父は
「お前何やってんだ!」
と突き飛ばし、台無しにすることはなかったが。
しっかり仕事をしていたタケルがここまで上の空になり、取り返しの着かない事もしようとしてる姿を見て、心配を通り超し、怒りが込み上げて来たのである。
「そんなにやる気ないんならなぁ!
お前に頼むことが出来なくなる!!」
(……!!)
信頼されていた父からのその言葉に、タケルは衝撃を受けた。

